公務員試験 H28年 国家一般職(教養) No.33解説

 問 題     

遺伝の法則に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.メンデルの遺伝の法則には,優性の法則,分離の法則,独立の法則があり,そのうち独立の法則とは,減数分裂によって配偶子が形成される場合に,相同染色体がそれぞれ分かれて別々の配偶子に入ることをいう。

2.遺伝子型不明の丸形(優性形質)の個体(AA 又はAa)に劣性形質のしわ形の個体(aa)を検定交雑した結果,丸形としわ形が1 : 1 の比で現れた場合,遺伝子型不明の個体の遺伝子型はAa と判断することができる。

3.純系である赤花と白花のマルバアサガオを交配すると,雑種第一代(F1)の花の色は,赤色:桃色:白色が1 : 2 : 1 の比に分離する。このように,優劣の見られない個体が出現する場合があり,これは分離の法則の例外である。

4.ヒトのABO 式血液型について,考えられ得る子の表現型(血液型)が最も多くなるのは,両親の遺伝子型がAO・AB の場合又はBO・AB の場合である。また,このように,一つの形質に三つ以上の遺伝子が関係する場合,それらを複対立遺伝子という。

5. 2 組の対立遺伝子A,a とB,b について,A は単独にその形質を発現するが,B はA が存在しないと形質を発現しない場合,B のような遺伝子を補足遺伝子といい,例としてカイコガの繭の色を決める遺伝子などが挙げられる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、記述は分離の法則についてです。独立の法則とは、遺伝子が複数ある際に、お互いがお互いに影響を与えない という法則です。

選択肢 2 は、正しい記述です。Aa から、配偶子A or a が 50% ででき、aa からは確実に 配偶子 a ができるため、次世代の遺伝子は 「Aa」 or 「aa」 で1:1となります。

選択肢 3 ですが、不完全優性についての記述です。優性の法則の例外です。

選択肢 4 ですが、「複対立遺伝子」の定義は正しいです。遺伝子型「AO、BO」の場合が、A型、B型、O型、AB型の全てのパターンがあるため、誤りです。

選択肢 5 ですが、これは条件遺伝子についての記述です。また、カイコガの繭の色遺伝子は抑制遺伝子の例として知られています。

以上より、正解は 2 です。

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