問 題
次は,ケースワークにおけるバイステックの 7 原則に関する記述であるが,A,B,C に当てはまる原則の組合せとして最も妥当なのはどれか。
A.一人一人のクライエントが,遺伝や環境の因子に基づいた,あるいは人生経験に基づいた独自性をもった個人であるとして迎えられる権利とニードをもっていることを,的確に認識し理解することである。
B.クライエントの抱える問題が,部分的ないし全体的に情緒的なものであるときに,クライエントがそのような感情を表現したいというニードをもっていることをきちんと認識することであり,クライエントの感情表現を大切にすることである。
C.クライエントは生まれながらにして,それぞれに尊厳と価値をもっているという認識をケースワーカーが維持し,クライエントにこのようになってほしいと望むのではなく,クライエントを現実の在るがままの姿で把握し,接することを意味する。
解 説
バイスティックの7原則とは
1:個別化 Individualization
2:受容 Acceptance
3:意図的な感情表出 Purposeful expression of feeling
4:統制された情緒関与 Controlled emotional involvement
5:非審判的態度 Nonjudgmental attitude
6:自己決定 Client self – determination
7:秘密保持 Confidentiality
※ 3 の主語は クライアント、※ 4 の主語は ワーカーです。
A は「一人一人のクライエントが・・・独自性をもった個人」という部分に注目すれば「個別化」を選べるのではないでしょうか。非審判的態度とは、クライエントの行動や思考に対し、ワーカーが善悪を判じない態度のことです。
B ですが「クライエントの感情表現を大切にする」とあるので、「意図的な感情の表出」です。統制された情緒関与とは、ワーカーが、クライエントの感情に呑み込まれないように自身の感情を統制して関与するということです。
C は「クライエントを現実の在るがままの姿で把握し、接する」という表現から「受容」です。クライエントの自己決定とは、あくまでも自らの行動決定をするのはクライエントであるということです。
以上より、正解は 5 です。
コメント