公務員試験 H28年 法務省専門職員 No.41解説

 問 題     

我が国の社会福祉協議会に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.都道府県社会福祉協議会等が実施主体となることとされている日常生活自立支援事業は,認知症高齢者,知的障害者,精神障害者等のうち判断能力が不十分な者が地域において自立した生活が送れるよう,利用者との契約に基づき,福祉サービスの利用援助等を行うものである。

2.市町村社会福祉協議会は,社会福祉法において,同一都道府県の少なくとも4 以上の市町村の区域内で,社会福祉を目的とする事業の企画及び実施などを行うとともに,同区域内の福祉の措置を実施する機関であると規定されている。

3.社会福祉協議会は,今後多様化・増大化が見込まれる国民の福祉ニーズに対応するため,2010(平成22)年に実施された社会福祉基礎構造改革の一環として,地域包括支援センターから名称変更されたものである。

4.社会福祉協議会は,介護保険法において,被保険者が保険給付を受けるに当たって,給付の対象となるかどうかなどを判定する要介護認定を実施する機関として位置付けられている。

5.2015(平成27)年に改正された生活保護法において,社会福祉協議会は,福祉事務所と共に生活保護の実施機関として規定されるようになった。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

社会福祉協議会とは、地域福祉推進目的の民間団体です。民間団体ですが、社会福祉法に規定があります。ワンストップで対応できる、地域福祉に関する総合窓口としての機能を期待される機関です。

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
「4」?なんで「4」?と違和感を覚えるのではないでしょうか。社会福祉法によれば「市町村社会福祉協議会は、又は同一都道府県内の二以上の市町村の区域内において・・・地域福祉の推進を図ることを目的とする団体・・・」とあります。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
地域包括支援センター」は介護保険法を根拠とする機関です。社会福祉協議会とは別の機関です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
要介護認定を実施するのは、市町村や、指定市町村事務受託法人です。指定を受け、認定を実施する社会福祉協議会もありますが、「介護保険法において・・・要介護認定を実施する機関として位置づけられている」わけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
生活保護の実施機関は、都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長です。改正生活保護法により、社会福祉協議会が「実施機関として」規定されるようになったという記述は誤りと考えられます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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