公務員試験 H28年 法務省専門職員 No.34解説

 問 題     

我が国の若年無業者,フリーター及びひきこもりに関する記述として最も妥当なのはどれか。なお,データは『平成27 年版子供・若者白書』による。

1.若年無業者*1 の数は,2014(平成26)年は約200 万人であり,2002(平成14)年に大きく減少した後,おおむね横ばいで推移している。15〜34 歳人口に占める割合は長期的にみると緩やかに減少しており,2014 年では約20 % となっている。

2.若年無業者*1 が求職活動をしない理由をみると,「知識・能力に自信がない」の割合が最も高く,就業を希望しない理由としては,「ボランティア活動に従事している」の割合が最も高い。

3.フリーター*2 の数は,この数年はおおむね横ばいで推移しており,2014(平成26)年には約180 万人となった。年齢階級別にみると,15〜24 歳では減少傾向にあるものの,25〜34 歳の年長フリーター層は2009(平成21)年以降増加基調にある。

4.15〜34 歳のフリーター*2の当該年齢人口に占める割合は,2008(平成20)年をピークとして減少傾向にあり,2014(平成26)年は約2 % であり,特に,15〜24 歳の若年フリーター層の当該年齢人口に占める割合は,2014 年は約1 % となっている。

5.内閣府が2010(平成22)年2 月に実施した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」によると,ひきこもり*3 になったきっかけは,「受験に失敗した(高校・大学)」が最も多く,次に多いのが「不登校(小学校・中学校・高校)」であった。

(注)
*1 若年無業者:15〜34 歳の非労働力人口のうち,家事も通学もしていない者。

*2 フリーター:15〜34 歳で,男性は卒業者,女性は卒業者で未婚の者のうち,①雇用者のうち勤め先における呼称が「パート」か「アルバイト」である者,②完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者,③非労働力人口で家事も通学もしていない「その他」の者のうち,就業内定しておらず,希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」の者。

*3 ひきこもり:内閣府が,15〜39 歳の5,000 人を対象として実施し,3,287 人から回答を得た,2010(平成22)年「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」において,「趣味の用事のときだけ外出する」,「近所のコンビニなどには出かける」,「自室からは出るが,家からは出ない」,「自室からほとんど出ない」に該当する状態となって6 か月以上と回答した者であって,「現在の状態になったきっかけ」で統合失調症又は身体的な病気と答えた者,妊娠と答えた者,自宅で仕事をしていると答えた者,「ふだん自宅にいるときによくしていること」で「家事・育児をする」と回答した者を除く。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
若年無業者の 15 ~ 34 歳人口に占める割合が「約 20%」は多すぎると感じるのではないでしょうか。数は約 60 万人弱、割合は 約 2% です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
就職を希望しない理由で最も多いのが「ボランティア活動に従事している」ではないと考えられます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。

選択肢 4 ですが
フリーターの割合は 2008 年を底として、上昇傾向にあります。当該年齢人口に占める割合は約 7% です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ひきこもりのきっかけとして多いのは、「職場に馴染めなかった」、「病気」などです。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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