問 題
次は,教育社会学に関する人物についての記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
A.『脱学校の社会』を著し,現代の学校を成立させている工業化社会の在り方を鋭く批判した。学校制度の「教えられ,学ばされる」という関係から離れて,自発的な学習を促す,学習ネットワークを構築すべきであると主張した。
B.在学率を指標に高等教育の発展段階を3 段階に分け,当該年齢人口に占める学生の比率が15 % 未満の段階を「エリート段階」,15〜50 % 未満の段階を「マス段階」,50 % 以上の段階を「ユニバーサル段階」と区分した。
C.階級間の不平等が継承されるメカニズムを,文化の差異から解明した。現代では学業達成に基づき社会的地位が決定されやすいが,それは書物に接したり話し方を体得するなど日常的な家庭生活における「文化資本」の獲得と密接に結びついているとした。
A B C
1.I.イリイチ M.トロウ P.ブルデュー
2.I.イリイチ P.ウッズ P.アリエス
3.I.イリイチ M.トロウ P.アリエス
4.H.スペンサー P.ウッズ P.ブルデュー
5.H.スペンサー M.トロウ P.アリエス
解 説
A ですが
「脱学校の社会」の著者はイリッチです。H.スペンサーの代表的著作は「教育論」です。
B ですが
エリート、マス、ユニバーサル という段階は、M.トロウによる段階以降モデルです。進学率に伴い、エリート型→マス型→グローバル・アクセス型へと移行すると考えました。これにより高等教育の目的観は、人間形成・社会化→知識・技能の伝達→新しい広い経験の提供 という流れで変わっていくと考えました。(H26no34)
P.ウッズは「生徒の戦略」の著者です。ウッズによれば、ストラテジーとは、相互行為のなかで各行為者が自らの状況定義と行為目的を効果的に展開するための方略です。「生徒の戦略」は、学校における教師と生徒のストラテジーについての本です。
C ですが
文化資本を提唱したのはブルデューです。文化資本とは、金銭によるもの以外の、学歴や文化的素養といった個人的資産のことです。P.アリエスは「子どもの誕生」の著者です。
以上より、正解は 1 です。
コメント