公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.32解説

 問 題     

所得の全てをX財とY財に支出する,ある消費者の効用関数が次のように与えられているとする。

u = x +y (u:効用水準,x:X財の消費量,y:Y財の消費量)

当初,X財の価格は 2 ,Y財の価格は 4 ,名目貨幣所得は 24 であった。いま,Y財の価格と名目貨幣所得は,それぞれ 4 と 24 のまま,X財の価格が上昇して 3 になったとする。価格上昇後の効用水準を価格上昇前と同じにするために必要な所得の増加分はいくらか。

1. 0
2. 6
3. 12
4. 24
5. 36

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

当初、予算制約が 2x + 4y = 24 です。両辺を 2 で割れば x + 2y = 12 となります。効用関数に代入すると、u = f(y) = (12-2y) + y = -y + 12 です。これは明らかに y = 0 の時最大値をとります。y = 0 の時、x + 2y = 12 より、x = 12 です。 最適消費量は (x,y) = (12,0) です。この時の効用が u = 12 + 0 = 12 です。

X 財の価格が上昇して 3 になると、予算制約が 3x + 4y = 24 となります。同様に u に x = … として代入すれば、やはり y = 0 の時最大値をとります。y = 0 の時、x = 8 です。最適消費量は (x,y) = (8,0) です。効用は 8 + 0 = 8 となります。価格上昇前と同じにするには、あと x を 4 つ買うことができればよいです。x の価格が 3 なので、3 × 4 = 12 が、求める所得の増加分です。

以上より、正解は 3 です。

コメント