公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.22解説

 問 題     

条件に関する ア〜オ の記述のうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。ただし,争いのあるものは判例の見解による。

ア.停止条件付法律行為は,停止条件が成就した時からその効力を停止する。

イ.条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は,相続することができない。

ウ.条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときは,相手方は,その条件が成就していないものとみなすことができる。

エ.不法な条件を付した法律行為は無効であるが,不法な行為をしないことを条件とする法律行為は有効である。

オ.停止条件付法律行為は,その条件が単に債務者の意思のみに係るときは無効である。

1.ア,エ
2.イ,ウ
3.イ,エ
4.ウ,オ
5.エ,オ

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

記述 ア ですが
停止条件付の例は「ダイエットで 10kg 減量したら、パソコン買ってあげる」です。民法第 127 条によれば、停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生」じます。「効力を停止する」わけではありません。記述 ア は誤りです。

記述 イ ですが
民法第 129 条によれば、「条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供することができ」ます。「相続することができない」わけではありません。記述 イ は誤りです。

記述 ウ は妥当です。
民法第 130 条 2 項です。

記述 エ ですが
不法な行為をしないことを条件とする法律行為も無効です。民法第 132 条です。記述 エ は誤りです。

記述 オ は妥当です。
随意条件についての記述です。民法第 134 条です。

以上より、正解は 4 です。

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