公務員試験 H27年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅰ(2)解説

 問 題     

ヒトにおける化学物質の生体内動態に関する記述 ①~⑤ について妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 吸収の主な経路は、消化管、皮膚、肺である。

② 化学物質は、アルブミンなどの血漿中のタンパク質と結合するとトランスポーターを介さずとも容易に細胞膜を通過して組織に分布する。

③ 代謝の第Ⅰ相反応に関与するシトクロム P450 はヘムを含有するタンパク質であり酸化型(Fe3+)と還元型(Fe2+)がある。

④ グルクロン酸抱合体は腸内細菌のβ-グルクロニダーゼによって脱抱合されて脂溶性の化学物質に変換されると腸管から再び吸収され腸肝循環を形成する。

⑤ 分子量が500以上の化学物質は胆汁中に排泄されやすい。

 

 

 

 

 

 解 説     

①ですが
化学物質の主な吸収経路としては、大気中の物質について皮膚から、経口摂取したものについて消化管から、外気に含まれる物質について肺からがあげられます。よって、妥当な記述と考えられます。

②ですが
アルブミンなどの血中タンパク質と結合した、タンパク結合物質は、原則として細胞膜を通過できません。よって②は誤りです。

③~⑤は、妥当な記述です。

以上より①◯、②☓、③◯、④◯、⑤◯ です。

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