公務員試験 H27年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅲ解説

 問 題     

次の ①~⑤ の検出器の中からガスクロマトグラフィーで用いられるものを三つ選び出しその番号を記せ。また選んだもののうちの二つについてその原理と特性を4行程度で説明せよ。

① 熱伝導度検出器
② 電気伝導度検出器
③ 電子捕獲検出器
④ 示差屈折検出器
⑤ 水素炎イオン化検出器

 

 

 

 

 

 解 説     

解答例)
②と④は、対象が液体なので、ガスクロマトグラフィーでは用いられません。従って、①、③、⑤です。

熱伝導度検出器・・・キャリヤーガスに試料ガス成分が含まれると、熱伝導率が低下することを利用して、ホイートストンブリッジにおける抵抗へガスを流すことにより、熱伝導率の変化を抵抗の変化、さらには電流の変化として検出する。特性として、非破壊検出である点、キャリヤーガス以外をなんでも検出できる反面、感度は低い点があげられる。

電子捕獲検出器・・・キャリヤーガスを、検出器内の放射性物質から出た β 線でイオン化し電流を流します。ガス中にハロゲンのような電気陰性度の高い試料が入ると、電子を吸収するため、電流が変化します。この変化として検出を行うという原理です。ハロゲンに特に有効で、ニトロ基やカルボニル基をもつ化合物にも利用します。感度が極めて高く、アルキル水銀を塩化物にした上で、水銀汚染検出などに用いられています。

水素炎イオン化検出器・・・水素と空気の混合気体の炎にキャリヤーガスで試料を運び燃焼することで炭素をイオン化させ、イオン電流として検出します。C-H 結合を有する有機物なら何でも検出可能です。また、高感度です。ただし、試料は破壊されます。

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