公務員試験 H27年 国家専門職(教養) No.32解説

 問 題     

身の回りの金属に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 銅(Cu)は赤色で熱や電気をほとんど通さない。銅の合金は加工しやすく耐食性にも優れている。銅と亜鉛の合金は青銅といい銅像や機械類などに銅とニッケルの合金は黄銅といい楽器や硬貨などに用いられる。

2. 鉄(Fe)は酸素と化合しやすく湿った空気中では赤くさびる。鉄が急激に酸化されるときに発熱する性質を利用したものとしてカイロがある。また銅やマグネシウムなどを溶かし込むとジュラルミンという硬くて軽い合金になり包丁や建築材料などに利用される。

3. リチウム(Li)は金属元素の中で最も密度が小さくアルカリ金属であり水や酸素と反応しやすい。リチウムイオン電池は小型・高電圧で低温でも凍りにくく携帯電話などの電源に広く用いられている。

4. スズ(Sn)は常温では赤みを帯びた茶色で重く硬い金属である。鉄をスズでめっきすることにより表面に形成される酸化被膜によって鉄の酸化を防ぐことができる。これはトタンと呼ばれ屋根やバケツなどに用いられている。

5. アルミニウム(Al)は熱伝導性と電気伝導性が全ての金属の中で最大である。鉄や銀に比べて製造に必要なエネルギーやコストが少ない上再生利用もしやすく省資源に役立つ循環型の金属として電線や缶一円硬貨などとして身の回りで広く用いられている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが、銅は高い導電性を有します。よって、選択肢 1 は誤りです。ちなみに、青銅は、銅と「スズ」の合金です。黄銅は、銅と「亜鉛(特に 20% 以上亜鉛含有)」の合金です。

選択肢 2 ですが、ジュラルミンは、アルミニウム+銅やマグネシウム による合金です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、妥当な記述です。

選択肢 4 ですが、トタンとは、亜鉛によるメッキのことです。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、熱伝導性と電気伝導性が最大なのは銀です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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