公務員試験 H27年 国家一般職(農学) No.30解説

 問 題     

害虫の防除及び農薬の種類使用上の留意事項などに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 我が国では江戸時代以降イネの害虫であるニカメイガを防除するため人が水田の中に入り稲株をとりもち棒でなで回すことでニカメイガ幼虫を物理的に除去する手法が取られていた。

2. 害虫の生息密度が高まるにつれて農作物への被害は高まるがある密度に達すると害虫の生息数が減少し始め農作物被害も減少する。その際の害虫の密度を被害許容密度という。

3. ボルドー液は19世紀から現在まで広く用いられている殺虫剤であり硝酸銀の水溶液と石灰乳を混合した液である。使用する際はその目的に応じて水で希釈して濃度を調整する。

4. 水和剤は水に溶けない有効成分を粘土鉱物と混合して粉砕し展着剤を加えた液状の製剤である。一般的には灌漑水に混和させて用水と同時に施用する。

5. 農薬の安全使用基準は農薬の種類別・作物別に使用できる剤型使用方法使用禁止期間,使用回数が決められている。そして農薬はその容器のラベルに取扱い上の注意事項が記されている。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
ニカメイガの幼虫は茎の中に入り込み、茎内を食いつくす害虫です。とりもちでは除去できません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
被害許容密度とは、防除費用よりも被害が小さく、被害を許容できるような害虫密度のことです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ボルドー液は「硫酸銅と生石灰」を水にとかしたものです。「硝酸銀」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
水和剤は「水になじむ製剤」です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。

コメント