公務員試験 H27年 国家一般職(農学) No.11解説

 問 題     

食用作物の加工・利用に寄与する成分や形態に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. トウモロコシには種子の形状と胚乳形質の異なる多様な種類がある。胚乳がもち性デンプンからなるフリント種は飼料のほかコーンスターチやコーンオイルの原料として利用される。また硬質デンプンに富むフラワー種はコーンミールとして利用される。

2. ダイズの種子は大きさ色などに遺伝的多様性があり成分にも品種による違いが認められる。豆腐製造用には高タンパク質の品種が適しており、煮豆用では外観形質の粒大臍の色(白目) 種皮色が重視される。

3. コムギには多くの栽培種がある。パンコムギは6倍体種でありその中でもタンパク質含量の低いものは強力粉として食パンなどに高いものは薄力粉として菓子や天ぷらなどに用いられる。デュラムコムギは2倍体種でありスパゲッティやマカロニなどに用いられる。

4. ジャガイモの主な利用部位である塊根の成分には品種による違いがある。デンプン含有量の多い品種はデンプン原料や焼酎などの原料に向いており、貯蔵中の還元糖含有量が多い品種は,油で揚げた後もイモの褐変化が少なくポテトチップス用に向いている。

5. オオムギのうち六条オオムギは皮裸性により六条皮麦六条裸麦に分けられる。穎花が内外穎と癒着してはがれにくい皮麦は主に味噌用に、穎花と内外穎が癒着せず容易にはがれる裸麦は主に麦茶用に利用される。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
「フリント種」は「硬粒種」です。主に「食用」として用いられます。胚乳がもち性デンプンからなるのは「ワキシーコーン」です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
タンパク質含量が高いのが強力粉です。また、デュラムコムギは4倍体種です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
還元糖が多いと、褐変化は大きくなります。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
六条皮麦と裸麦の用途が逆です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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