公務員試験 H27年 国家一般職(化学) No.39解説

 問 題     

遺伝子操作技術に関する ㋐~㋓ の記述のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 制限酵素は、 DNA を 5′ 末端から順次切断しモノヌクレオチドに分解するものであり、遺伝子操作においてよく利用されている。

㋑ プラスミドは、細胞核外で増殖するDNA であり、あるDNA 断片を組み込んだプラスミドを大腸菌の中に入れ、さらにその大腸菌を増殖させることで当該DNA 断片を大量増幅できる。

㋒ cDNA は、mRNA から逆転写酵素により合成したDNA であり、mRNA の塩基配列をcDNA から知ることができる。

㋓ PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、DNA の変性、耐熱性のDNA ポリメラーゼによる塩基伸長反応、鋳型プライマーとDNA の会合の、三つの過程を、95°C 程度の高温で行い、増幅したい塩基配列をもつDNA を合成する反応である。

  1. ㋐ ㋑
  2. ㋐ ㋒
  3. ㋑ ㋒
  4. ㋑ ㋓
  5. ㋒ ㋓

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 ㋐ ですが
制限酵素は「特定の塩基配列」に対して切断能を持つ酵素のことです。「5’末端から順次切断する」わけではありません。よって、記述㋐は誤りです。正解は 3~5 です。

記述 ㋑ は正しい記述です。
プラスミドは一般的に環状二本鎖構造をとります。正解は 3or4 です。

記述 ㋓ が判断しやすいです。
PCR は 3つの過程を温度をそれぞれ変化させて行う反応です。一例としては、94℃→55℃→72℃といった変化をさせます。「三つの過程を 95℃程度の高温で行う」は明らかに誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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