公務員試験 H27年 法務省専門職員 No.55解説

 問 題     

次は社会的事実に関する記述であるが、A~Dに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

A は、『社会学的方法の規準』で貨幣制度、法、言語などを社会的事実とし、「B」という言葉に、観察可能な与件という意味、及び個人意識へのC とこれに対する拘束性という意味を込め、「社会的事実を B のように考察すること」とした。彼の中期の代表的研究である『D』では多くの統計が用いられた。

A B C D
1.E ́.デュルケム 物  外在性 自殺論
2.E ́.デュルケム 理念 外在性 資本論
3.E ́.デュルケム 理念 内在性 自殺論
4. J. G. タルド   理念 内在性 資本論
5. J. G. タルド   物  外在性 自殺論

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A ですが
「社会学的方法の基準」の著者はデュルケムです。デュルケムは、社会学を「学問」の立場とするのに大きな役割を果たしました。学問の対象が「社会的事実」であると、この著書で明示しました。

記述 B,C ですが
「社会的事実を B のように考察する」とあります。学問的に考察する、ということから B は「物」と判断できるのではないでしょうか。「客観的に」といったニュアンスです。そして「個人意識への C」とありますが、これは「外在性」が入ります。個人の意識の外にあり、だからこそ観察可能ということです。

記述 D ですが
デュルケムの代表的研究なので「自殺論」が入ります。資本論はマルクスの代表作です。

以上より、正解は 1 です。

コメント