公務員試験 H27年 法務省専門職員 No.52解説

 問 題     

R. K. マートンの理論に関する記述A~Dのうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A. 彼は、システムの要素や下位システムの作用を、システム全体又は他の要素や下位システムについて設定される目的に対する貢献という観点からみて、プラスの貢献をする場合に顕在的機能、マイナスの貢献をする場合に潜在的機能と定義した。

B. 彼は、社会における成員の願望や達成目標に関係する文化的目標と、目標達成において正当として許容される手段である制度的手段を示した上で、その両者の統合が成員個人に課する緊張、及びその両者の統合により社会規範が強化される状態をアノミーと捉えた。

C. 彼は、具体的現実を踏まえ、また一般理論の知見を生かしつつ、社会現象について適度の一般化・概念化を行い、理論としての形を整えたものである中範囲の理論を提唱した。

D. 彼は、社会的行為の状況に対する虚像の規定、信念、思い込みなどが、それに基づいて行われた行為を通じて現実のものと化してしまう場合、当初の規定、信念、思い込みなどのことを自己成就的予言とした。

1. A B
2. A C
3. B C
4. B D
5. C D

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが
マートンは、社会を分析する際の「機能」という言葉について、分類しました。結果が望ましいかそうでないかに基づき、それぞれ「順機能、逆機能」、結果が知られているか、そうでないかに基づき「顕在的機能、潜在的機能」です。記述は順機能、逆機能についてと考えられます。記述 A は誤りです。

記述 B ですが
マートンによる「アノミー」は、「文化的目標とそれを達成するための制度的手段にギャップが存在する場合に生じる行動規範の衰耗」です。「社会規範が強化される状態」ではありません。ちなみにこの主張は緊張理論と呼ばれます。記述 B は誤りです。

記述 C,D は妥当な記述です。
マートンの中範囲の理論、及び、マートンの自己成就的予言はどちらも重要な概念です。

以上より、妥当な記述は C,D です。正解は 5 です。

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