公務員試験 H27年 法務省専門職員 No.49解説

 問 題     

認知症に関する記述 A~D のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A. 厚生労働省によれば、「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ* 以上の高齢者で、要介護認定申請を行っている認知症高齢者数は、 2010 (平成22) 年の時点では約 30 万人であったが、 2025 (平成37) 年には40 万人を超えると推計されている。

B. 若年性認知症は、 60 歳未満で発症する認知症の総称で、 18 歳から 29 歳までに発症するものは若年期、 30 歳から 59 歳までに発症するものは初老期と分類されている。我が国における若年性認知症の人に対する支援として、若年性認知症の人のニーズ把握等の取組は推進されているが、就労支援に関する施策や取組はなく、喫緊の課題とされている。

C. 厚生労働省では、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の環境で暮らし続けることができるよう、認知症の人やその家族等に対する支援を推進している。その一例として、認知症の人とその家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場である「認知症カフェ」の普及が図られている。

D. 認知症の中核症状は、脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状で、記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などがある。また、認知症の人の性格や人間関係などの様々な要因が絡み合って、精神症状や日常生活の適応を困難にする行動上の問題が起こることがあるが、これらは行動・心理症状などと呼ばれ、不安・焦燥、うつ状態、幻覚・妄想,徘徊等がある。

(注)* 「認知症高齢者の日常生活自立度」の判定基準は「日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても誰かが注意していれば自立できる」ことである。

1. A B
2. A C
3. B C
4. B D
5. C D

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが
「約 30 万人」は少なすぎると感じるのではないでしょうか。「約 300 万人」です。記述 A は誤りです。

記述 B ですが
若年性認知症は「65歳未満」で発症する認知症の総称です。また、18 ~ 「44」歳までに発症するのが若年期、「45 ~ 64」歳までに発症するのものが初老期と分類されます。記述 B は誤りです。

記述 C,D は妥当です。

以上より、正解は 5 です。

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