公務員試験 H27年 法務省専門職員 No.35解説

 問 題     

次は、生涯教育・生涯学習に関する記述であるが、A B Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

生涯教育・生涯学習の概念は、ユネスコが 1965 (昭和40) 年にパリで開催した成人教育推進国際委員会で、ユネスコ成人教育部長であったA を中心に提唱されたことを契機として、世界的に広がっていった。

1972 (昭和47) 年にユネスコに提出された B は、教育の到達すべき目標として「完全な人間」 (complete man) の育成を提示し、学習社会の到来を予見し、生涯学習の重要性を指摘した。

一方で OECD は、従来青少年などに独占されてきた学校教育を全ての者に平等に与えるとして C を提案し、1973 (昭和48) 年に提出した報告書で、 C の本質を、「個人の生涯にわたって継続的に行われるように教育を延長すること」であると規定した。C とは、人々が生涯にわたって教育と他の諸活動(労働や余暇活動等)を交互に行うことである。

 A B C
1. P. ラングラン   ドロール報告  キャリア教育
2. P. ラングラン   フォール報告  リカレント教育
3. P. ラングラン   フォール報告  キャリア教育
4. J. A. コメニウス ドロール報告  キャリア教育
5. J. A. コメニウス フォール報告  リカレント教育

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

A はラングランです。J.A.コメニウスは、「大教授学」の著者です。(H26no31)。男女貴賤なく、すべての人が学校へ行く国民普通教育を提唱しました。学校に懲罰、叱責、倦怠は無用であり、迅速、愉快に、徹底的に学ぶところでないといけないと主張しました。

B より C が判断しやすいと思われます。「人々が生涯にわたって教育と他の諸活動を交互に行うこと」は「リカレント教育」です。

以上より、正解は 2 です。

B はフォール報告とわかります。ドロール報告とは、1996 年の、フォール報告を発展させた報告です。

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