公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.44解説

 問 題     

最近の我が国経済の状況に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1. 製造業における生産、在庫の動向を 2010 年を 100 とした指数 (季節調整値) でみると、生産は 2012 年末には 100 を下回っていたものの、2013 年初め頃に持ち直しに転じ、2014 年初めにかけて上昇傾向で推移した。この間、在庫は緩やかな減少傾向を示した。

2. 2014 年4月の消費税率引上げ前後の個人消費の動向を形態別の消費総合指数 (2012年平均=100) でみると、半耐久財、非耐久財、サービスが引上げ前後の数か月にわたって大きく変動している一方、耐久財の変動は短期にとどまっており、耐久財の当該指数は最大でも 105 に満たないなど変動幅も比較的小さい。

3. 住宅着工戸数 (季節調整値) をみると、2012 年初めから 2013 年末にかけては減少傾向で推移していたが、2014 年に入り、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の影響により、3月まで急速に増加していった。

4. 輸出数量指数 (季節調整値) について、2010 年を 100 とした指数でみると、2011 年半ばに名目為替レートが大幅な円安に転換したことを反映して、2012 年後半からほぼ一貫して急速な上昇傾向を示した結果、2014 年7月現在では 120 を超えている。

5. 機械受注を業種別にみると、消費税率引上げに伴う景気減速懸念から、2013 年1-3月期から 2014 年 1-3 月期までの間において、製造業では緩やかな減少傾向で推移しており、非製造業では大幅に減少して推移している。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。
製造業に関する動向についてです。

選択肢 2 ですが
耐久財とは、冷蔵庫、PC などのことです。ある程度大きな買い物で購入するものであり、消費税引き上げ前に買うことで大きく得を感じるカテゴリです。従って、前後で指数が大きく変動することが予想されます。「変動幅も比較的小さい」という記述に違和感を覚えるのではないでしょうか。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
住宅は注文から時間がかかる商品なので、消費税増税の1年前程度から、いわゆる駆け込み需要が生じると考えられます。また、直前にいきなり買うような品物でもありません。従って、2012 年初めから 2013 年末にかけては「増加傾向」、2014 年に入ると、需要は落ち着くと推測されます。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
2012 年秋以降、為替が円安方向に推移する下で、輸出数量は横ばい圏内で推移しています。「ほぼ一貫して急速な上昇傾向」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
2013 年 1-3月期から 2014 年 1 ー 3 月期まで、製造業、非製造業共に緩やかな上昇傾向を示しています。減少傾向ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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