公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.22解説

 問 題     

代理に関するア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。ただし、争いのあるものは判例の見解による。

ア. 復代理人が本人の許諾を得て選任された場合、代理人の有する本人に対する代理権が消滅しても、当該復代理人の復代理権が消滅することはない。

イ. 無権代理人と取引をした相手方は、その者が代理権を与えられていないことを知らなかった場合に限り、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。

ウ. 代理人が相手方と通謀して虚偽の意思表示をした場合は、本人は相手方に対して当該意思表示の無効を主張することができない。

エ. 本人の無権代理人と取引した相手方に過失があって表見代理が成立しない場合は、相手方は,当該無権代理人の責任を追及することができない。

オ. AがBに対して、Aの所有する不動産を売却する代理権をCに与えた旨を表示した場合において、その表示を受けていない D が当該表示を信頼してCとの間で当該不動産を買い受ける契約を締結しても、民法第 109 条は適用されない。

1. アイ
2. アエ
3. イウ
4. ウオ
5. エオ

(参考) 民法
(代理権授与の表示による表見代理)
第109条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者はその代理権の範囲内において
その他人が第三者との間でした行為についてその責任を負う。ただし第三者がその他人が
代理権を与えられていないことを知り又は過失によって知らなかったときはこの限りでない。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 ア ですが
復代理とは、代理人が選んだ人が、本人を代理することです。例えば A さんが入院中で、~~買ってきてと息子にお願いしたが、急に遊ぶ約束ができたため、弟にお願いしたというイメージになります。この場合、弟はあくまでも A さんの代理として法律行為を行います。復代理権は、代理権を基とする権利です。代理人の有する代理権が消滅したのであれば、復代理権は消滅します。記述 ア は誤りです。

記述 イ ですが
無権代理人と取引した相手方が、代理人が無権利だと知っていた場合(悪意の場合)も、追認の催告権を有します。無権代理人と法律行為をした結果として、不確定無効という不安定な状態に置かれてしまいます。そこで、法律関係の早期安定を図るための手段となります。「知らなかった場合に限」るわけではありません。記述 イ は誤りです。

記述 ウ ですが
民法 第 94 条に基づき、通謀虚偽表示に基づく法律行為は無効です。そして、無効であるという効果は本人に帰属します。従って、本人は相手方に対して無効の主張ができます。記述 ウ は誤りです。

記述 エ は妥当です。
民法 第 109 条です。表見代理に基づく行為についての本人責任には、相手方の善意無過失が必要です。

記述 オ は妥当です。
民法 第 109 条です。D は表示について悪意なので、適用されません。

以上より、正解は 5 です。

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