公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.9解説

 問 題     

地方分権に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1. 地方分権を推進する観点から、平成 11 (1999) 年に地方分権一括法が制定された。この法律により、従来、自治体が国と対等な立場で法令によって国から事務を請け負っていた機関委任事務が、自治体が責任を持って主体的に処理すべき自治事務と、国の事務の一部を知事や市町村長などに委任し、その執行を国が監督する法定受託事務とに振り分けられた。

2. 人口 50 万人以上の市のうち、政令で指定されたものについては、政令指定都市として、大都市行政にかかる一定の事務と権限を府県・知事等から市・市長等へ法令に基づいて移行させることができるほか、地方譲与税が上積みされる等、税源移譲により財源面において一定の増額がある。

3. 地方公共団体には自らの事務を遂行するために条例制定権が認められており、現在も多くの条例が定められているが、地方分権を推進する観点から、地方自治法上、自治体の事務について国から承認を得た場合には、法律に抵触する条例を制定することも可能とされている。

4. 地方公共団体の標準的なサービスを保障するとともに、自治体間の財源のアンバランスを是正するため、国は、国税収入の一定額を地方交付税として交付しており、社会保障分野に限っては,全国どこでも最低限の社会保障サービスが提供されるよう、交付金額の3割を社会保障分野に使用することを義務付けている。

5. 地方分権一括法の制定により、国で行っていた様々な事務が自治体の権限で行えるようになったが、農業施策に関しては、食糧自給率等の国としての方針を実現するため、土地面積にかかわらず、農地転用には国の許可が必要となっている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
機関委任事務が法定受託事務と、それ以外の自治事務に振り分けられました。法定受託事務は、本来国が行うべき第1号法定受託事務と、県が行うべき第2号法定受託事務に分類されます。自治事務は「自治体が責任をもって・・・」という事務ではなく、法定受託事務以外という定義です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
政令指定都市についての記述です。

選択肢 3 ですが
法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができます。「法律に抵触する条例を制定することも可能」とはいえません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
地方交付税は、使途が限定されない一般財源です。「交付金額の 3 割を社会保障分野に使用することを義務付けている」ということはありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
農地転用については、農地法により制限があり、農業委員会へ届け出る場合と、県からの許可が必要な場合があります。「国の許可が必要」ではありません。この知識がなくても「土地面積にかかわらず」という点に注目し、いちいちどんな小さな面積の農地についても許可を得ているというのは現実的でない、と考えると良いかと思います。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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