公務員試験 H27年 国家一般職(行政) No.2解説

 問 題     

各国の大統領に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

1. フランスの大統領は、国民による直接選挙によって選出される。大統領は、首相を任命し、また首相の提案に基づき政府の構成員を任命する。ただし、大統領とは党派の異なる首相が任命されることもあるため、閣議の主宰は首相が行う。

2. 米国の大統領は、各州及びワシントンD.C.選出の選挙人による間接選挙によって選出される。大統領は議会が可決した法案に対する拒否権を持つが、これに対して議会は上下両院で3分の2以上の賛成で再可決すれば、拒否権を乗り越えることができる。

3. イタリアの大統領は、国民による直接選挙によって選出される。大統領は、議会の解散、首相の任命、外交使節の信任及び軍隊の指揮権を単独で行使することができる強い権限を有している。

4. ドイツの大統領は、国民による直接選挙によって選出される。大統領は、元首として国の内外に対してドイツ連邦共和国を代表し、首相の任命権や議会の解散権等の強い権限を有しており、首相の地位は象徴的なものである。

5. 韓国の大統領は、上院議員による間接選挙によって選出される。大統領は、政治的に強い権限を持ち、首相を国会議員の中から任命するが、この人事には国会の同意は必要なく、大統領と首相が異なる党派に属することによって政治が混乱することを防いでいる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

大統領について、直接選挙で選ぶ代表的な国は、ロシア、フランス、韓国です。アメリカは、選挙人を選ぶので、形式的には間接選挙です。しかし、選挙人がどの大統領候補へ投票するかは公表されているため、直接選挙のような形ともいえます。直接選挙でない代表的な国は、ドイツ、イタリア、イギリスです。

選択肢 1 ですが
フランスの大統領は直接選挙で選ばれます。そして、下院の多数党の指導者を首相とすることが慣習です。そのため、コアビタシオンと呼ばれる、大統領と首相が異なる党である場合もありえます。また、フランスの閣議は大統領が主宰します。首相ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
米国の大統領に関する記述です。

選択肢 3,4 ですが
イタリアの大統領、及び、ドイツの大統領は、直接選挙で選ばれません。選択肢 3,4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
韓国の大統領は直接選挙で選ばれます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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