公務員試験 H27年 国家一般職(電気・電子・情報) No.26解説

 問 題     

四端子回路に関する以下の記述の㋐~㋓に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図のような四端子回路において電圧 V1,V2 及び電流 I1,I2 を図の向きにとったとき縦続行列は

で定義される。

縦続行列の各要素の物理的意義を考えると A は出力端子を開放したときの ㋐ との比であり、D は出力端子を短絡したときの ㋑ との比である。同様に B は出力端子を短絡したときの V1 と I2 との比であり C は出力端子を開放したときの I1 と V1 との比である。したがって B は㋒ の次元をもち C は㋓ の次元をもつ。」

1.V1 と I2 I1 と V2アドミタンスインピーダンス
2.V1 と I2 I1 と V2インピーダンスアドミタンス
3. I1 と V2V1 と I2インピーダンスアドミタンス
4.V1 と V2I1 と I2アドミタンスインピーダンス
5.V1 と V2I1 と I2インピーダンスアドミタンス

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

H25no26 を参考に、右辺の行列を計算すれば「V1 = AV2 + BI2」、「I1 = CV2 + DI2」 です。A~Dを解くために、四端子行列でできることは、出力端子をつなげて(短絡して) V を 0 にする か、出力端子を解放して I = 0 にする です。※入力の V や I を 0 にしちゃうと、この回路に何も流れず意味がない。そのため出力側をいじります。出力端子解放 → I2 = 0 なので、式(1)より A = V1/V2 です。よって正解は 4 or 5 です。

次に問題文より、B は V1 と I2 の比、つまり V1/I2 です。※ 式(1)において、出力端子を短絡し V2 = 0 を代入すれば導けます。この次元がインピーダンスかどうかという問題です。インピーダンスとは一般化した抵抗です。一方、オームの法則 V = RI より、R = V/I です。よって、V/I の形であれば、抵抗であろうと判断できます。従って、B の次元がインピーダンスと考えられます。

以上より、正解は 5 です。
類題 H25no26

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