公務員試験 H26年 国家専門職(食品衛生監視員) No.3微生物学Ⅰ(3)解説

 問 題     

細菌の増殖に関する記述 ①~⑤ について、妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 増殖曲線のうち静止期(定常期)は細菌が新しい培地に適応して代謝酵素などをつくり,増殖を開始するまでの時期である。

② 増殖曲線のうち対数(指数)増殖期は細菌が二分裂を繰り返すことにより盛んに増殖している時期である。

③ 増殖曲線のうち衰退期(死滅期)は栄養素の減少や代謝産物の蓄積などにより菌の増殖が抑制され増殖曲線が水平となる時期である。

④ 増殖曲線のうち誘導期(遅滞期)は菌体の自己融解などにより死菌数が増加し生菌数が減少する時期である。

⑤ 平板培地上では1個の細菌が増殖してついには肉眼で見えるほどの大きな塊となる。これを集落(コロニー)というが1個の集落は約102~103個の細菌より成っている。

 

 

 

 

 

 解 説     

細菌を生育させると、一般に誘導期(lag phase)という一定の期間の後に増殖を開始します。そして、生育の活発な対数期(log phase)を経て、生菌数が一定となる定常期(stationary phase)に達します。やがて生菌数が減少する死滅期(death phase)にいたります。

これをふまえると、①ですが
増殖を開始するまでの時期は「誘導期」です。

②は、正しい記述です。

③ですが
増殖曲線が水平となる時期は「定常期」です。

④ですが
生菌数が減少するのは「死滅期」です。

⑤ですが
肉眼で見えるコロニーにおいて、1個の集落が 100個程度の細菌ならば、1個の細菌もめちゃくちゃ目をこらせば見えそうなものと考えられます。よって、明らかに誤りです。大体 10
8~1010程度の細菌より成っていると考えられます。

以上より、①☓、②◯、③☓、④☓、⑤☓です。

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