公務員試験 H26年 国家専門職(教養) No.40解説

 問 題     

我が国の選挙制度に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 国会開設と大日本帝国憲法の発布に先立って明治政府が公布した衆議院議員選挙法は我が国の選挙に関する初めての法律である。有権者は一定額以上の国税を納める満25歳以上の男子とされたため公布当初の有権者数は全人口の約2割であった。

2. 大正デモクラシーを背景としていわゆる普通選挙法が成立した。この法律によって貴族院と衆議院の両院において選挙権及び被選挙権共に納税額による制限が撤廃された。また女子にも初めて選挙権が与えられた。

3. 第二次世界大戦後初めての衆議院議員総選挙は満20歳以上の男女に選挙権及び被選挙権が与えられて実施されることとなった。また昭和25年には公職選挙法が制定され文書や図画の配布戸別訪問や事前運動が認められるようになった。

4. 衆議院では平成6年の公職選挙法の改正により小選挙区制と比例代表制を合わせた小選挙区比例代表並立制が導入されたが議員定数の不均衡の是正を考慮し小選挙区制の定数よりも比例代表制の定数を多くしまた比例代表は都道府県ごとに選挙区が定められた。

5. 参議院では現在全国を一つの選挙区として選出する比例代表選挙と都道府県ごとに決められた定数の議員を選出する選挙区選挙とに分けて議員を選出している。平成12年の公職選挙法の改正により比例代表選挙には非拘束名簿式比例代表制が導入された。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが、初めの選挙では全人口の 1% 程度しか有権者ではありませんでした(!)。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、普通選挙法で「成年男子による普通選挙」が規定されました。まだ女子には選挙権がありませんでした。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、選挙で「戸別訪問」といえば、公職選挙法により禁止されている、というフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、現時点で小選挙区が 300、比例代表が 180 議席です。小選挙区制の定数の方が多くなっています。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、妥当な記述です。「非拘束式」とは、比例代表制の順位を決めない ということです。

以上より、正解は 5 です。

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