公務員試験 H26年 国家専門職(教養) No.39解説

 問 題     

日本銀行に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 民間の金融機関の預金のうち日本銀行に預けるべき割合を上下させることによって通貨供給量を増減させる操作を預金準備率操作という。この操作は近年の金融政策の中心となっており平成20年以降日本銀行は複数回にわたって預金準備率を引き下げている。

2. 日本銀行は物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することを理念として金融政策を運営している。平成25年に日本銀行として持続可能な物価の安定と整合的と判断する物価上昇率を示した「物価安定の目標」を新たに導入した。

3. 日本銀行は我が国の経済の全体像を国際比較可能な形で体系的に記録することを目的として,国民経済計算を作成しGDP 速報などを四半期ごとに公表している。

4. 中央銀行が民間の金融機関に資金を貸し出すときの金利のことをコールレートというが日本銀行は平成22年にこのコールレートの誘導目標を引き下げ実質ゼロ金利政策を採用していることを明確化した。

5. 日本銀行が金融政策を実施するに当たっては政府との連携を強化する必要があるとして平成25年に日本銀行法が改正され最高意思決定機関である政策委員会には政府代表委員が参加することとされた。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、日本では預金準備率操作は 1991 年を最後に行われていません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが、国民経済計算や GDP速報は内閣府が取りまとめ、公表しています。日本銀行ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、コールレートは民間金融機関等の間で貸借される資金に適用される金利です。中央銀行→金融機関への資金貸出における金利は「公定歩合」です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、日本銀行の最高意思決定機関が政策委員長である、という点は妥当です。しかし、政府代表委員が参加するわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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