公務員試験 H26年 国家専門職(教養) No.35解説

 問 題     

第二次世界大戦後のアジア諸国に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 中国では国共内戦が再開された。当初は孫文率いる国民党軍が農民や民族資本家などの支持を集め優勢であったが共産党がソ連の支援を獲得し形勢は逆転した。1949年には共産党が中国本土を制圧し毛沢東を主席周恩来を首相とする中華人民共和国の成立が宣言された。

2. 朝鮮では朝鮮戦争の後米国とソ連による分割占領が行われた。そして1953年に南部に朴正煕を大統領とする大韓民国が北部に金日成を首相とする朝鮮民主主義人民共和国が成立し半島は二つの国家に分断された。

3. インドシナではベトナム民主共和国が建国されたがフランスがこれを認めなかったため,インドシナ戦争が始まった。ディエンビエンフーの戦いで敗北したフランスはベトナム民主共和国とジュネーブ協定を結んで撤退した。

4. インドネシアでは独立運動の指導者であったスカルノを中心に独立宣言を発表し平和五原則に基づいた憲法を制定した。これに対しスペインは武力で独立を阻止しようとしたため戦争になったが国連の仲介で1949年にハーグ協定が結ばれインドネシアは独立を達成した。

5. インドでは英国からの独立が認められたがヒンドゥー教徒の国民会議派とムスリム連盟の対立が高まりヒンドゥーのインド連邦とムスリムのアフガニスタンの2国に分離して独立した。両国の間ではカシミールの帰属をめぐる対立が激化し戦争が勃発した。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが、国民党は「蒋介石」率いる、です。孫文ではありません。」よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、「朴正煕(パク・チョンヒ)」は、1961 年軍事クーデターを起こし、1963ー1979年の大統領です。「漢江(はんがん)の奇跡」と呼ばれる高度経済成長の最中の大統領です。1953 年の大統領ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、妥当な記述です。

選択肢 4 ですが、インドネシアは「旧オランダ領東インド」です。オランダから独立を達成です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、インド連邦と「パキスタン」の 2 国に分離して独立しました。「アフガニスタン」ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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