公務員試験 H26年 国家一般職(農学) No.9解説

 問 題     

作物の物質生産と収量の成立に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 作物の葉群の繁茂度は、葉面積指数で表すことができる。葉面積指数は、ある土地面積上にある全ての葉の面積の総和を、その土地面積で除して群落吸光係数を掛けた値である。個体群成長速度は葉面積指数が小さいときは、葉面積指数にかかわらず一定である。

2. 葉面積指数が増えると葉の重なりが増し、それ以上葉面積を増やしても総光合成量は増加しなくなる。一方葉の呼吸量は葉面積指数にかかわらず一定であるため、作物個体群の純光合成量はある葉面積指数のときに最大値を示す。そのときの葉面積指数を補償点という。

3. 生産された総乾物重に対して収穫部分の占める重量の比を収穫指数という。収穫指数は品種によって異なり、近年の水稲やコムギの短稈化による収量の向上の大きな要因は全乾物重の増加よりも収穫指数の増加が貢献していると考えられている。

4. 群落全体の葉面積が十分な場合、葉が水平に着生する水平葉型個体群では、太陽光の大部分が上位の葉と下位の葉で均等に受光される。そのため太陽光に対して葉が傾きをもって受光する傾斜葉型個体群よりも、群落全体の総光合成量が多くなる。

5. 作物の収量はイネ・ムギ類の場合「面積当たり穂数」×「登熟歩合」×「1粒重」×「1穂のえい花(果)数」で表すことができる。これらの収量構成要素は生育が進むにつれて記載の順に決まっていく。これらのうち登熟歩合は、玄米から腹白米や心白米などを除く完全米の割合である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
葉面積指数(LAI:Leaf Area Index)は、土地上部の葉面積総和÷土地の広さです。「土地 1m2 あたり、葉がどれだけあるか」といった量です。それだけです。「群落吸光係数を掛ける」ということはありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
記述は「最適葉面積指数」についてです。「補償点」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
葉が水平 なら、上位の葉がいっぱい受光です。傾斜葉型の方が、より均等に受光されます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
「1穂のえい花数」ではなく「1穂の籾数」が、収量構成要素です。よって、選択肢 5 は誤りです。ちなみに、登熟歩合については妥当な記述です。

以上より、正解は 3 です。

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