公務員試験 H26年 国家一般職(教養) No.33解説

 問 題     

酵素やエネルギーに関する記述として、最も妥当なのはどれか。

  1. 酵素のうちペプシンは、タンパク質を分解する消化酵素である。またペプシンは胃液に含まれており、強い酸性条件下でよく働く。
  2. 酵素のうちカタラーゼは、過酸化水素を分解して水素を発生させる。これはカタラーゼが触媒として働いたためであり、一度触媒として働いたカタラーゼは消費されてしまうため、再度触媒として働くことはない。
  3. 酵素のうちアミラーゼは、デンプン, タンパク質, セルロースなどの物質に酵素反応を示し、物質の分解を促進する。また、アミラーゼは温度が上昇するほど反応速度が高まる。
  4. 呼吸とは、グルコース酸素及び水から、水とエネルギーを合成する反応である。真核生物では呼吸は細胞内のミトコンドリアで行われ、その構造は一重の膜に包まれ細胞液で満たされている。
  5. 光合成とは、二酸化炭素と光エネルギーから、酸素と水を合成する反応である。陸上植物では,光合成は、細胞内の葉緑体で行われ、葉緑体はそれぞれの細胞に一つずつ含まれている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、正しい記述です。

選択肢 2 ですが、カタラーゼは、過酸化水素(H2O2)を分解して水と酸素を発生させます。化学式で書くと以下のようになります。
2H2O2 → 2H2O + O2

また「触媒」として働いた場合、「自分は変化しない」という点が特徴です。消費されてしまうわけではありません。

選択肢 3 ですが、アミラーゼは、デンプンを分解します。タンパク質、セルロースの分解を促進することはありません。また、酵素には最適温度があります。従って「温度が上昇するほど」反応速度が高まるというのは明らかに誤りです。

選択肢 4 ですが、呼吸では グルコース+酸素 から「二酸化炭素」+水+エネルギー が生成されます。化学式で書くと以下のようになります。
C6H12O6+6O2 → 6CO2 + 6H2O + エネルギー

選択肢 5 ですが、光合成は、呼吸の逆反応です。二酸化炭素と水+光エネルギーで、「ブドウ糖」と酸素を合成します。化学式で書くと以下のようになります。
6CO2 + 6H2O + 光エネルギー → C6H12O6+6O2

また、葉緑体は、細胞に複数含まれています。「一つずつ」ではありません。

以上より、正解は 1 です。

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