公務員試験 H26年 国家一般職(教養) No.29解説

 問 題     

近年の我が国のインフラ整備の状況に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 平成24年の中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故を機に道路トンネルなどのインフラ設備の老朽化への対応が求められ平成25年度に設立された一般財団法人道路保全技術センターの総合調整の下に消費税の引上げ分を財源とした緊急の大規模改修工事が進められることとなった。
  2. 大規模地震発生の切迫性が指摘される中公共建築物の耐震診断及び耐震改修の促進が急務とされ学校病院等多数の者が利用する一定規模以上の建築物の耐震化率については平成27年までに少なくとも9割とする目標が国土交通大臣により設定されている。
  3. 東京電力福島第一原子力発電所事故の発生を機にエネルギー政策基本法が改正され同法に基づき今後5年以内に太陽光風力等の再生可能エネルギーを基幹エネルギーとして総発電量の3割程度を占めることとする「エネルギー基本計画」が平成25年に新たに策定された。
  4. 地上アナログ放送から地上デジタル放送への切替えに伴い地上デジタル放送に対応可能な電波塔の建設が各地で求められることとなった。首都圏では東京スカイツリーの建設が進められ平成25年の完成と同時に首都圏で地上デジタル放送の送信が開始された。
  5. 2020年のオリンピック・パラリンピックの開催に向け競技会場として首都圏全域で新国立競技場を始めとする多くのスポーツ施設の新設が予定されており、また外国人観光客の増加に対応するため平成25年に首都圏内陸部における新たな国際空港の建設予定地が決定された。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、消費税の引上げ増収分は、主に赤字国債の穴埋め、一部社会保障費に用いられています。緊急大規模改修工事の費用ではありません。また、道路保全技術センターは H23年に解散しています。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい記述です。

選択肢 3 ですが、エネルギー基本計画において「基幹エネルギー」は、原子力や石炭火力、水力、地熱のように、24時間、天候等に左右されないものが挙げられています。太陽光や風力等の再生可能エネルギーを基幹エネルギーにしようという計画ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、スカイツリーの建設完成が、地上デジタル放送開始には間に合わないという話題を耳にしたのを覚えていれば、誤りと判断できるのではないでしょうか。

選択肢 5 ですが、首都圏内陸部における新たな国際空港は、長期的に見ての必要性はうたわれていますが、建設予定地は決定されていません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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