公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.57解説

 問 題     

次は、社会学におけるライフコース研究に関する記述であるが、 A~D に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

家族研究などにおいては、結婚による夫婦の始まり、子育て、子どもの独立、老夫婦の生活、死といった、人間の一生における各種の出来事の規則的推移に着目する A が重視されてきた。

しかし、人の一生の中で個人で過ごす時間や、個人を中心に置いた生き方が浸透するようになってきたことから、多くの家族の共通性に着目するより、各々の家族と個人の個別性・固有性に着目する考え方が生まれてきた。そこで、人間の一生をライフコースという人生の道程と捉える発想が成立してくることになった。

ライフコースの定義の一つは、個人が B の役割や出来事を経つつたどる人生行路を指す,というものである。何が B の役割であり出来事であるかは、生理学的な人間の発達過程に基礎的に条件付けられているものの、その具体的な形態や内容は社会的・文化的に規定されている。その意味で、個人は B の役割や出来事によって社会につながれている。

ライフコースの視点は、人生行路を成す経歴の束の中に、学歴や職歴など C の影響を受けやすい活動領域の経歴を含んでいるため、 C の影響下にあるものとして個人を捉えることとなる。分析に当たっては、 D を単位とし、人生上の出来事が時機 (タイミング) や移行期間、間隔、順序などについてどのようなパターンを持つかを各種統計資料を用いて分析したり、個人の経歴の形成における他者の関わりのパターンを検討したりする。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

A ですが
「人間の一生における・・・規則的推移」とあるので「ライフサイクル」が妥当と考えられます。「パターナリズム」とは、一般に「強い立場の者が、ときに弱い立場の意志に反してでも、利益を慮り、行動や判断に介入すること」です。父権主義などに訳されます。正解は 4 or 5 です。

B ですが
人間の一生=ライフコースとあるので「年齢別」が適切です。正解は 4 とわかります。これにより、C は「社会変動」、D は「コーホート」です。コーホートとは、共通因子を有する、観察対象集団のことです。

以上より、正解は 4 です。

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