公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.33解説

 問 題     

教育社会学に関する記述 A~D のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A. C. H. クーリーは、特定の目標、並びにそれを効率的に達成するための分業体系を持つ大規模な集団を「一次的集団」、成員同士が極めて親密であり、情緒的、情愛的な人間関係が支配的な小規模の集団を「二次的集団」と定義し、学校はその両方の側面を持つとした。

B. R. P. ドーアは、「学歴病」が近代社会の体質病であるとし、後発国ほど、学歴を通じての上昇移動の機会の増加、それに伴う学歴獲得競争の激化、その結果としての学歴インフレーションという過程を短期間にたどる、という「後発効果論」を示した。

C. J. S. コールマンは、学業成績の格差など、教育の不平等の原因を明らかにするために、全米の初等・中等学校及び児童・生徒を対象に調査を実施し、子どもの学業成績により大きな影響を与えているのは、学校の質(教育資源の多寡)ではなく、家庭環境(出身階層)であることを明らかにした。

D. M. ヤングは、著書『ハマータウンの野郎ども』において、イギリス中等学校における労働者階級の少年たちが、当初は学校文化になじめず、教師に対抗するが、最終的には学校文化に順応し,教育を受けることで社会階層間における階層移動が可能になることを示した。

1. A B
2. A C
3. B C
4. B D
5. C D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A ですが
一次的集団と二次的集団の定義が逆です。小規模、親密が一次的集団です。目標を達成するための大規模な集団が二次的集団です。学校は二次的集団に属するとされます。A は誤りです。

記述 B,C は妥当な記述です。
ドーアの後発効果論コールマンが学校の果たす役割の限界を指摘した点をおさえておきましょう。

記述 D ですが
「ハマータウンの野郎ども」は、ポールウィルスの著作です。M.ヤングは、「能力」に基づく社会的地位への選抜・配分を基本原理とする「メリトクラシー」を造語した人です。D は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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