公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.28解説

 問 題     

内田クレペリン精神作業検査に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 被検査者が行った一定の精神作業の結果を分析するものであるが、課題が容易で取り組みやす
い一方、被検査者による意図的な回答の歪みが生じやすいという特徴がある。

2. 日本の心理学者である内田勇三郎の着想をもとにして、精神科医クレペリン(Kraepelin, E.)
が考案し、ドイツで開発された心理検査であり、作業検査法の一つとされる。

3. 検査は休憩を挟んで前期と後期に分けられるが、前期における定型曲線の特徴として、作業の
開始段階と終末段階の作業量が中盤の作業量より多くなっていることが挙げられる。

4. 検査の実施や結果の評価に当たっては、被検査者の綿密な行動観察が必須であるため、検査者
は被検査者に対し一対一で実施することが原則となっている。

5. 結果を評価する際には、1分間ごとの作業速度の変化を表す作業曲線の形状を評価の対象とし,
全体の作業量や正答数そのものは対象としない。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
足し算をしていくだけの検査なので、被験者による意図的回答の歪みは生じにくいです。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
内田クレペリン検査は、クレペリン(Kraepelin,E.) が研究した 1 桁の連続加算作業を、内田勇三郎が改良した、日本独自の検査です。「ドイツで開発された心理検査」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。
前期は↘↗、後期は全体的に減少傾向、後期の方が全体的に作業量が高いというのが定型曲線となります。

選択肢 4 ですが
綿密な行動観察は不要です。検査者と被験者は多対一で実施できます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
作業曲線の形状を基礎とし、作業量の安定性、誤謬率、作業量の変化などから人格や適正を判定する検査法です。「全体の作業量や正答数そのものは対象としない」わけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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