公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.17解説

 問 題     

失語に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 失語は、先天的な脳の限局病巣に由来する言語の理解と表出に関する障害である。脳のどの領域の機能が障害されるかにより、意味性又は音素性錯語、言葉の意味内容の理解の障害、語発見の困難(失名辞)のいずれかが生じる。

2. 失語を自発話の流暢性を指標として分類した場合、ブローカ失語は流暢性失語に、ウェルニッケ失語は非流暢性失語に分類される。

3. 皮質下性運動失語では、聴覚や言葉以外の音の認知及び自発語は保たれるが、言葉の聴覚的理解が障害され、復唱、書き取りなどができなくなる。

4. ウェルニッケ失語の特徴として、迂遠で、錯語や錯文法が著しいことが挙げられる。一方で、文字の読み書きや語の復唱は比較的うまくできる。

5. ブローカ失語では、言葉の意味内容の理解に関する障害はそれほど大きくないが、失文法的な自発語、構音障害、発話開始の困難などが目立ち、復唱も困難である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

失語については
ウェルニッケが言語理解、感覚性
ブローカーが発語、運動性
2つの伝導路が弓状束
・どれが障害されても復唱が困難になる、という点が基礎知識です。

選択肢 1 ですが
後天的にも起こりうる障害です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,5 ですが
ブローカ失語は「言語理解はよいが、発語困難」です。「運動性失語」です。非流暢性失語に分類されます。ウェルニッケ失語は「言語理解が困難、発語流暢」です。「感覚性失語」です。流暢性失語に分類されます。よって、選択肢 2 は誤りです。選択肢 5 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
皮質下とは、大脳皮質より下 ということです。具体的には、視床、線条体などです。復唱が比較的うまくできる、という特徴があります。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
復唱は困難です。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 5 です。

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