公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.59解説

 問 題     

相互行為及びそれに関する用語等についての記述として最も妥当なのはどれか。

1. 象徴的 (シンボリック) 相互作用論とは、H.G.ブルーマーらによって提唱されたものであり、社会を、言葉などのシンボルを媒介とする人間の相互作用過程として見るものである。

2. ドラマトゥルギーとは、E.ゴフマンが用いた用語で、社会生活において自己を装うことに反発を感じた人々が、本当の自分を示して人間関係の回復を図ろうとする営みのことである。

3. 会話分析とは、H.サックスらが行ったもので、会話が行われる時間と場所に着目して量的な分析を行い、会話の文脈に依存しない客観的な行為の構造を明らかにするものである。

4. 生活世界とは、A.シュッツらが用いた用語で、グローバリゼーションの進展により世界全体が一つの生活空間となり、個々の人間関係もそれに応じて変化したことを説明する概念である。

5. 交換理論とは、G.C.ホマンズらによって展開されたものであり、異なる社会相互の接触により,モノや文化の交換が行われ、それが国際的な関係を活性化するというものである。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ブルーマーらのシンボリック相互作用論についての記述です。

選択肢 2 ですが
ドラマトゥルギーは、ゴフマンが用いた用語です。人の行為を演劇と捉える考え方です。「本当の自分を示して人間関係の回復を図ろうとする営み」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
会話分析とは、会話を詳細に書き起こして分析を試みることです。やりとりには精巧な秩序があることを示しました。「会話が行われる時間と場所に着目」した分析ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
「生活世界」とは、「科学によって理念的に構成される以前に、われわれが身体的実践を行いつつ直観的なしかたで日常的に存在している世界のこと」です。「グローバリゼーションの進展により、世界全体が一つの生活空間となり・・・」という話ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ホマンズらの展開した交換理論とは、行為者の行為を金銭的価値に置き換え行為者間の相互作用を金銭的価値の交換として捉え、焦点を当て,社会関係や社会構造を説明しようとした理論です。「異なる社会相互の接触により・・・」といった内容ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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