公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.57解説

 問 題     

次は、シカゴ学派に関する記述であるが、A~Dに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

シカゴ学派とは、米国のシカゴ大学に 19 世紀後半から 20 世紀の初頭にかけて集まった社会学者と、そこで展開した社会学的な研究を指していう言葉である。シカゴ学派の中心人物であった A は、科学としての実証的・実践的な社会学を強調し、人間生態学の理論を樹立した。また、集合行動などの領域でも研究を行った。

シカゴ学派において、都市の成長・発展の空間的な構造を明らかにした理論として代表的なものが、E.W.バージェスの B 理論である。この理論では、都市は中心業務地区から放射状に発展し、遷移地帯、労働者居住地帯、中流階級居住地帯、高所得者住宅地帯がこの順で拡がっているとしている。これらのうち C は、土地利用が不安定で固定していない地域で、シカゴ学派は C に見られる社会組織の解体に注目した。

L.ワースは、都市を「社会的に異質な諸個人の、相対的に大きい、密度のある、永続的な集落」と定義した。そして、都市に特徴的な生活様式を D と呼び、その特性として、非個性化、家族的紐帯の弛緩などを挙げた。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A ですが
オグバーンもパークもシカゴ学派です。人間生態学の理論を樹立したのは、パークです。オグバーンは、家族の「機能縮小」論や、「文化遅滞論」を述べました。正解は 3 ~ 5 です。

記述 B ですが
バージェスといえば「同心円地帯理論」です。都市は中心業務地区から放射状に発展しいくつかの地帯に分けられ、都市の成長と共にそれぞれの地帯が外の地帯に侵入・遷移していくという理論です。正解は 3 or 4 です。

記述 C ですが
バージェスの同心円地帯理論において、「土地利用が不安定で固定していない地域」は「遷移地帯」です。

記述 D ですが
ワースが唱えた、都市に特徴的な生活様式は「アーバニズム」です。

以上より、正解は 3 です。

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