公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.44解説

 問 題     

我が国の物価に関する A~C の記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A. 消費者物価 (総合) の前年比の長期的な推移をみると、1973 年の第一次石油危機によって大きく上昇したが、1970 年代後半には徐々に落ち着きを取り戻した。その後、1980 年代前半から 1990 年代後半にかけて米国やフランスを上回る水準で推移した。2000 年以降についてみると、主要先進国よりも低い上昇率で推移しているが、これは主に非耐久消費財の消費者物価が平均で前年比マイナス 10 % で下落を続けたことによるものである。

B. 消費者物価 (生鮮食品を除く総合) の前年同月比は、2013 年半ばにプラスへと転じ、その後,同年後半にかけてプラス幅が緩やかな拡大傾向となった。これは、為替レートの円安方向への動きを反映して、エネルギー価格が上昇に寄与したことなどによるものである。

C. 内閣府「消費動向調査」によって家計の物価の予想の変化をみると、1年後の物価に関する見通しについて、2013 年 10 月時点の回答が同年4月時点の回答と比較して、「上昇する」と回答した一般世帯の割合の合計が約2割から1割未満へ減少した一方、「変わらない」と回答した一般世帯の割合の合計が約6割から9割超まで増加しており、家計は物価に対する慎重な見方を崩していない。

1. B
2. C
3. A B
4. A C
5. A B C

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A ですが
第 1 文は妥当です。第 2 文についてですが、1990 年代初頭からが「失われた 20 年」と呼ばれていることなどから、「1990 年代後半にかけ、・・・上回る水準で推移」してはいないと考えられます。また、2000 年前後から消費者物価指数は下落に転じています。記述 A は誤りです。

記述 B は妥当です。
2013 年半ばにプラスに転じました。

記述 C ですが
詳しくデータを覚えていなくても、「家計が上昇すると思う?」と聞かれたら「上昇する」と答えがちなのではないか。「2 割→1 割」というのはあまりにも少なすぎると判断できるのではないでしょうか。家計の物価見通しについての調査では上方バイアスがあり、「上昇する」という回答が 50% を下回ることはめったにないことが知られています。記述 C は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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