問 題
⑵ 細菌に関する次の記述 ㋐〜㋓ に合致する細菌の名称を語群から選び出しそれぞれの番号を記せ。
㋐ この細菌の属名は、ペスト菌を発見した人物に由来したものである。この属の細菌のうちヒトに対し病原性をもつものとしてペスト菌、仮性結核菌、腸炎菌がありそのうち二つの菌種が食中毒の原因菌として知られている。
㋑ この細菌は、グラム陽性通性嫌気性の非芽胞短桿菌で20 〜30℃で培養した場合鞭毛が発育し運動性を示す。カタラーゼ試験陽性、オキシダーゼ試験陰性、VP反応陽性である。欧米では乳製品亜食肉製品などを原因食品とするこの菌による食中毒の事例が報告されている。
㋒ この細菌は、酸素が 3 〜 15 % の微好気の環境下で発育するグラム陰性のらせん状桿菌である。両端又は一端に鞭毛を有しコルクスクリュー様の運動が観察される。大気中や嫌気的条件下では発育できない。
㋓ この細菌は、健康なヒトの鼻腔、咽喉、腸管内などに分布し家畜なども保菌している。この細菌による食中毒はこの細菌が食品中で増殖する際に産生する菌体外毒素をヒトが摂取することによって起きる。
<語群>①カンピロバクター属菌、②サルモネラ属菌、③リステリア属菌、④腸炎ビブリオ、⑤黄色ブドウ球菌、⑥エルシニア属菌、⑦セレウス
解 説
㋐ですが
ペスト菌(Yersinia pestis)の発見者は イェルサン さんです。エルシニア属 が答えです。
㋒ですが
「コルクスクリュー様運動」が決めてでカンピロバクターです。
㋓ですが
ヒトの常在菌かつ毒素型なので黄色ブドウ球菌と考えられます。
㋑については、その他の記述を確定した後に消去法が妥当だと思います。グラム陽性なので、サルモネラ、ビブリオは誤りです。さらに非芽胞とあるのでセレウスも誤りです。従って、リステリアです。20~30 ℃の培養時に鞭毛が発育し、運動性を示す の所を知っていれば、いきなりリステリアと判断してもよいと思います。
以上より
㋐ エルシニア ⑥
㋑ リステリア ③
㋒ カンピロバクター ①
㋓ 黄色ブドウ球菌 ⑤ です。細菌については学名をぜひ書きなれておきましょう。
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