公務員試験 H25年 国家専門職(食品衛生監視員) No.3微生物学Ⅰ(1)解説

 問 題     

以下の問いに答えよ。
⑴ 微生物学の歴史に関する記述として、妥当なものには○を、妥当でないものには☓をそれぞれ記せ。

① Pasteur は、特殊な形状をしたフラスコを用い微生物の自然発生説が正しいことを証明した。

② Buchner は、無細胞系でアルコール発酵が起こることを発見した。

③ Leeuwenhoekは、単式レンズの顕微鏡を自製し、微生物を観察して The Royal Societyに報告した。

④ Iwanowskiは、タバコモザイク病の病原因子が、細菌を通さない濾過器を通過することを見出した。

 

 

 

 

 

 解 説     

①ですが
Pasteur (パスツール)は、自然発生説を「否定」しました。よって、①は妥当ではありません。

②ですが
Buchner(ブフナー)についての記述は妥当な記述です。

③ですが
Leeuwenhoek(レーウェンフック)について妥当な記述です。

④ですが
Iwanowski(イワノフスキ)について妥当な記述です。タバコモザイクウイルスは、後に「最初に結晶化されたウイルス」となります。

以上より、①☓、②◯、③◯、④◯ です。

ーーー以下は完全に雑感。試験に全く関係なし。ーーー
ちなみに、パスツールつながりで京都にパスツール研究所があって、室長さんの Kazuko Uno さんにTwitter つながりで見つかってTwitterをテーマにした論文が、PLos One に (2018.9/7)に公開されていた。

「Twitter use in scientific communication revealed by visualization of information spreading by influencers within half a year after the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident」

すごく当たり前な結論に感じたけど、(福島第一原発事故以降半年間に「radiation」 関連の 全 ReTweet のうちおよそ半分がReTweet されている。ReTweet の大半は 数百のインフルエンサー と呼ばれるアカウントからポストされたものに基づいていた。インフルエンサーの大半は実名による個人アカウントであった。ツイート内容が同様のグループ内で特にリツイートが急激に広まっていた。)

原文
The results of this study showed that retweets account for roughly half of all the tweets related to radiation within half a year after the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident.

The majority of the retweets were based on original posts sent out by a few hundred accounts defined as “influencers”.

The majority of influencers had individual accounts with real names. While the ratio of information spreading by influencers was established and fixed in the first month, retweets were intensively spread within fixed population, especially within groups with similar tweet contents.

昨今の、本当にイレギュラー事態が多い現状において、集団の影響力分析や現代の社会的情報の広がり方について理解が広がっていけば、イレギュラー事態における適切な情報の活用方法がより洗練されていったり更によい情報の広め方を考えるためのたたき台にもなるのでは。このような分析について Twitter の分析とかは、そこらへんのPC でも簡単にできたはず。切り口がすごく面白かったし、論文の文例としても重要な情報源!

一方でこんな情報的な内容を「パスツール研究所」がやっているというのは知らなかったな~!そして、さすが京都、やっぱ素敵な場所だなぁ☆

歴史の流れから本当に学べるなぁと感じるのですが、このレーウェンフックの業績は、王立協会に報告はしたんだけどその後色々とうまく協力できず微生物の研究が下火になった といった流れがあるようです。「素晴らしい発見をすること」 と「人類にとって役立つ発展につながること」 のつながりの紆余曲折をよく表しているような気がします。

だからこそ「過去の遺産をしっかりと学ぶこと」が重要 と考えたり「共有・公開すること」が大切 と考えてもいいんだろうし「自分はうまくやろう」みたいに思ってもいいんだろうし他にも考えることができる視点はあって学ぶべき素材としての歴史 の価値 と、そこから何を得る、引き出すか という 解釈システムとしての個人の多様性の重要性 とのバランスがよくこの世の中は整っているなぁと 個人的に実感したのでした。
ーーー以上、完全に雑感、終わりーーー

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