公務員試験 H25年 国家一般職(化学) No.42解説

 問 題     

晶析に関する次の記述の ㋐,㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「晶析は、主として溶液の冷却や蒸発によって、溶質を結晶として析出させ分離精製を行う操作である。生成した結晶を、沈降 , 沪過 , 遠心分離によって分離するなどの理由から、大きな結晶を得ようとする場合、溶液の冷却速度を ㋐ するなどの方策がとられる。

30 ℃における硝酸カリウム飽和水溶液の濃度は 31 wt %である。80 ℃で50 g の硝酸カリウムを溶質として含む 100 g の水溶液を 30 ℃まで冷却すると、最大で約 ㋑ gの硝酸カリウムの結晶を得ることができる。」 


  ㋐  ㋑
1. 大きく 22
2. 大きく 28
3. 大きく 45
4. 小さく 22
5. 小さく 28

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

食塩の結晶などを作る時、大きくするためにはゆっくり冷やすのがコツといったことを聞いたことがあるのではないでしょうか。㋐は小さく が妥当です。正解は 4 or 5 です。

wt は weight の略です。31wt % というのは「31 重量%」のことです。100g 中 31g が硝酸カリウムということになります。

80℃で「50g 硝酸カリウムを溶質として含む 100g の水溶液」とは、水50g + 硝酸カリウム 50g ということです。30℃では、水69g+硝酸カリウム31g までしか溶けないことがわかっています。

水 69g→70g 、硝酸カリウム 31g→30g と近似して考えると、水 50g であれば「30 × 5/7」g までしか、硝酸カリウムは溶けることができません。30 × 5/7 = 150/7 ≒ 22 です。

元々 80℃の時に 50g 溶けていて、30℃になると 約22g までしか溶けないとわかりました。50 – 22=28 です。つまり、約 28g まで結晶として出せると考えられます。

以上より、正解は 5 です。 

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