公務員試験 H25年 国家一般職(教養) No.38解説

 問 題     

近年の雇用に係る法律の改正に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.長時間労働を抑制するため、平成20 年に労働基準法が改正され、1 か月60時間を超える時間外労働の法定割増賃金率が 25 %に引き上げられた。また、これに伴い、一定以上の年収がある労働者を労働時間規制から外すいわゆるホワイトカラー・エグゼンプション制度が導入された。

2.男女ともに仕事と家庭の両立ができる雇用環境を整備するため、平成21 年にいわゆる育児・介護休業法が改正され、事業主は、育児休業を有給化することや通算年の介護休業制度を整備することが義務付けられた。

3.リーマン・ショック以降の雇用情勢の悪化により、いわゆる派遣切りなど、派遣労働者の雇用環境が社会問題化したことから、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るため、平成24年にいわゆる労働者派遣法が改正され、登録型派遣や製造業への労働者派遣が禁止された。

4.有期労働契約の反復更新の下で生じる雇止めに対する不安を解消し、労働者が安心して働き続けることができるようにするため、平成24 年に労働契約法が改正され、有期労働契約が 5 年を超えて反復更新された場合、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みが導入された。

5.高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢まで働き続けられる環境を整備するため、平成24 年にいわゆる高年齢者雇用安定法が改正され、年金支給開始年齢の引上げに併せて定年を 65 歳に引き上げることが事業主に義務付けられた。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが、多くの反対もあり、ホワイトカラー・エグゼンプション制度は導入されませんでした。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、H21 年改正で義務付けられたのは、労働者が希望した際の、時短勤務制度の設置等です。記述は妥当ではありません。

選択肢 3 ですが、「原則禁止」の削除です。派遣が禁止されたわけではありません。

選択肢 4 は、正しい記述です。

選択肢 5 ですが、定年引き上げを事業主に義務付けるものではない、という点が強調された改正です。妥当ではありません。

以上より、正解は 4 です。

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