公務員試験 H24年 国家専門職(教養) No.32解説

 問 題     

物質の構成や変化に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 酸化還元反応によって発生するエネルギーを電気エネルギーとしてとり出す装置を電池という。マンガン乾電池のように充電による再使用ができない電池を一次電池車のバッテリーに使われる鉛蓄電池のように充電により再使用ができる電池を二次電池(蓄電池)という。
  2. 物質の最小構成単位の個数をそろえて表した量は物質量と呼ばれモル(mol)という単位で表される。1モルあたりの原子の数(6.02× 1023/mol)をファラデー定数といい物質1モルあたりの質量はどの物質でも6.02× 10-23g と一定である。
  3. 分子を構成する原子は価電子を互いに共有することで安定な電子配置となり結合ができる。鉄や銅などの金属では原子が出した価電子が特定の原子間に固定され原子間で価電子が共有されることにより強力な結合となる。これを金属結合という。
  4. ある物質が水に溶け陽イオンと陰イオンに分解されることを電気分解といい外部から電気エネルギーを加えて自発的には起こらない酸化還元反応を起こさせることを電離という。また電気分解される塩化ナトリウムアルコール及びグルコース等の物質を電解質という。
  5. 中性子の数が等しくても陽子の数が異なる原子は互いに同位体(アイソトープ)と呼ばれており,質量は同じであるが化学的な性質は全く異なる。同位体の中には放射線を出す放射性同位体(ラジオアイソトープ)があり年代測定や医療などに利用されている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は、妥当な記述です。

選択肢 2 ですが、ファラデー定数ではなく「アボガドロ定数」です。また、物質 1mol あたりの質量は、物質により異なります。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、記述は共有結合についてです。金属結合は「陽イオン+自由電子」による結合です。よって、選択肢 3 は誤りです。(類題 一般職教養 H29no32

選択肢 4 ですが、電離と電気分解についての記述が逆です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、「中性子」と「陽子」が逆です。また、同位体は「化学的性質」は同じだが、「質量数」が異なります。よって、選択肢 5 は誤りです。

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