公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅱ(1)解説

 問 題     

毒性試験に関する次の記述の Ⓐ~Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し,それぞれの番号を記せ。

「一般毒性試験は, Ⓐ とⒷ に大別される。Ⓐ は,被験物質を実験動物に単回投与したときの毒性と用量の関係を評価する試験であり, Ⓒ の把握等を目的とする。

一方, Ⓑ は,被験物質を実験動物に一定期間継続して投与する試験であり,被験物質に長期曝露したときの毒性の予測やⒹ の把握を主な目的とする。

遺伝毒性試験であるⒺ は,ネズミチフス菌の変異株を用いたⒻ である。変異型のⒼ 要求性株から,野生型のⒼ 非要求性株への変化を指標として,被験物質の変異原性を調べる。多くの変異原性物質は,哺乳類ではⒽ を受けて初めて変異原活性を示すが,細菌には代謝酵素がほとんどないため,通常,代謝酵素を添加して試験が行われる。

その他の遺伝毒性試験として,げっ歯類を用いて被験物質の染色体異常誘発性を評価するⒾ や,被験物質で処理した細胞を電気泳動し,DNA 損傷を評価するⒿがある。」

<語群>
①反復投与毒性試験,②生殖・発生毒性試験,③急性毒性試験,④復帰突然変異試験,⑤無毒性量(NOAEL),⑥LD50,⑦UDS 試験,⑧小核試験,⑨Ames 試験,⑩コメットアッセイ,⑪32P ポストラベル法,⑫ヒスチジン,⑬フェニルアラニン,⑭代謝活性化,⑮抱合反応

 

 

 

 

 

 解 説     

一般毒性試験は「急性毒性試験(単回投与毒性試験)」「反復投与毒性試験」に大別されます。急性毒性試験では、対象の 50% が致死にいたる用量である「LD50などの把握が目的です。LD は Lethal Dose の略です。反復投与毒性試験では、有害作用を示さなくなる閾値である 「NOAEL」 などの把握が目的です。NOAEL は No Observed Adverse Effect Level の略です。

ネズミチフス菌の変異株を用いた遺伝毒性試験は「Ames 試験」です。「ヒスチジン」要求性株の「復帰突然変異試験」です。多くの変異原性物質は「代謝活性化」を受けて変異原活性を示します。

げっ歯類を用いた染色体異常誘発性を評価するのは「小核試験」です。また、被験物質で処理した細胞を電気泳動してDNA損傷を評価するのは「コメットアッセイ」です。

以上より
A 急性毒性試験 ③
B 反復投与毒性試験 ①
C LD50
D 無毒性量(NOAEL) ⑤
E Ames 試験 ⑨
F 復帰突然変異試験 ④
G ヒスチジン ⑫
H 代謝活性化 ⑭
I 小核 ⑧
J コメットアッセイ ⑩ です。

類題 H28No4Ⅱ(1) H27No4Ⅱ(1)

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