問 題
果樹の施設栽培や高品質栽培に関する記述A~Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A.施設栽培の場合,露地に比べて受光量が少ないので,枝は短く,葉は小さくなる傾向がある。このため,樹体の成長を阻害しないように適切な間伐,せん定を行う。また,摘果は一般に,露地よりも弱めに行う。
B.落葉果樹の多くは,秋から冬にかけて芽が休眠に入る。芽を生育適温においても生育しない現象を強制休眠という。施設栽培で強制休眠中に加温を始める作型では人為的に休眠を打破する必要があり,休眠打破剤の石灰窒素浸出液やシアナミドを土壌に施用する。
C.マルチング栽培は,ポリエチレンフィルムなどによって土壌表面を被覆する栽培法であり,土壌流亡の防止,雑草防除,地温の調節などの効果がある。カンキツでは,雨水が土壌に入らないようにすることで樹体に水分ストレスを与えて,糖度の高い果実を生産する方法がある。
D.雨よけ栽培は,雨を防ぐことを目的としてビニル被覆などを行う方法である。果実の成熟期が梅雨に重なるオウトウは,成熟直前に,果実表面にある気孔や根からの吸水によって裂果が生じるため,我が国では雨よけ栽培が広く導入されている。
1.A,B
2.A,D
3.B,C
4.B,D
5.C,D
解 説
記述 A ですが
施設栽培の方が一般的に土地生産性は高いです。環境をコントロールできるからです。よって「露地に比べて受光量が少ない、、、小さくなる傾向」という内容は妥当ではないと考えられます。よって、記述 A は誤りです。
記述 B ですが
強制休眠は他発的休眠とも呼ばれ、外的条件による休眠のことです。よって記述 B は誤りです。ちなみに、休眠打破剤として石灰窒素浸出液やシアナミドを施用するという記述は妥当です。
記述 C,D は妥当な記述です。
以上より、正解は 5 です。
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