公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.24解説

 問 題     

次の記述 ㋐、㋑、㋒ は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛の製造方法に関するものである。これらの製造方法と酸化物名の組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ 溶融させた原料金属を、炉の中で約1000 ℃ まで加熱し金属蒸気を発生させる。この金属蒸気を空気酸化させ、送風機で空冷管に送って冷却し,製造する。

㋑ 原料鉱石を粉砕し、乾燥後過剰の濃硫酸と共に加熱し固形物を得る。この固形物を水に溶かし不溶物をろ過,除去する。取り出したろ液を冷却し含まれる硫酸鉄などの不純物を析出させ再びろ過,除去するこのろ液の濃度を調整した後、種剤を添加して加熱すると白色の固形物が生成する。この固形物をろ別,洗浄した後,焼成処理剤を加えて、800~1000 ℃ で焼成して製造する。

㋒ 原料鉱石を粉砕し、水酸化ナトリウム溶液を用い加圧下170 ℃ で加熱,抽出する。抽出残渣を分離した後、溶液を冷却し,種剤を加えて析出させる。析出物を1000~1300 ℃ で焼成して製造する。

㋐   ㋑  ㋒
1.酸化亜鉛 酸化アルミニウム 酸化チタン
2.酸化亜鉛 酸化チタン 酸化アルミニウム
3.酸化チタン 酸化亜鉛 酸化アルミニウム
4.酸化チタン 酸化アルミニウム 酸化亜鉛
5.酸化アルミニウム 酸化亜鉛 酸化チタン

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

わかりやすいのは記述 ㋒ です。
最初に原料を粉砕し NaOH 溶液を用いている」ことからアルミニウムと判断できます。よって正解は 2 or 3 です。

そして、酸化 チタンの製法は大きく塩素法と硫酸法があります。記述 ㋑ は硫酸法についてです。とはいえ、硫酸法について知らなかったとしても、記述 ㋐ は金属が 1000℃程度で「蒸気」になっています。つまり沸点が 1000℃程度ということです。チタンの沸点はもっと高いだろうと推測できるのではないでしょうか。

以上より、㋐が酸化亜鉛、㋑が酸化チタン、㋒が酸化アルミニウム です。正解は 2 です。 

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