公務員試験 H26年 国家一般職(化学) No.31解説

 問 題     

㋐ ~ ㋓ の化合物を、酸性が弱いものから順に並べたものとして、最も妥当なのはどれか。

弱 ← 酸性 → 強
1.㋐  ㋑  ㋒  ㋓
2.㋐  ㋓  ㋑  ㋒
3.㋒  ㋑  ㋐  ㋓
4.㋓  ㋐  ㋑  ㋒
5.㋓  ㋒  ㋑  ㋐

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

酸性度の強弱について、考え方の原則化合物から H をとった物質を考えて負電荷が安定しやすい構造かどうかを考える というものです。「共役塩基の安定性」で判断するといわれます。

㋐ ~ ㋒ は炭化水素の比較となります。二重結合や三重結合がある方が結合の s 性が高くなります。

s 性が高い = 電子が原子核の近くにいる
→安定しやすい
単結合より二重結合、二重結合より三重結合の方が酸性度が高い と考えることができます。

㋓のフェノールは、H をとった時、共鳴構造を複数考えることができ、負電荷がベンゼン環上に非局在化することで、㋐~㋒と比較してより安定化しやすいと考えられます。

以上より、酸性度が弱い方から、㋐、㋑、㋒、㋓ の順と考えられます。正解は 1 です。

コメント