問 題
有機リン系殺虫剤に関する次の記述の Ⓐ ~ Ⓙ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。
「有機リン系殺虫剤であるマラチオンや Ⓐ は、神経伝達物質 Ⓑ の分解酵素である Ⓒ の活性中心である Ⓓ と結合し、酵素活性を Ⓔ することにより、 Ⓕ 神経系を興奮させ、 Ⓖ 、流涎、痙攣などの症状を引き起こす。
有機リン系殺虫剤中毒の治療には Ⓗ や Ⓘ が用いられる。Ⓘ は Ⓒ を再賦活化することにより効果を発揮するが、時間が経過し、 Ⓙ を起こしたものには無効であるため、早期に投与する必要がある。」
<語群>
①2 ‒ PAM、②ジメルカプロール、③チオ硫酸ナトリウム、④アトロピン、⑤セリン水酸基、⑥バリン水酸基、⑦クロルピリホス、⑧アルドリン、⑨副交感、⑩交感、⑪縮瞳、⑫散瞳、⑬脱アルキル化、⑭脱ハロゲン化、⑮活性化、⑯阻害、⑰アセチルコリン、⑱セロトニン、⑲コリンアセチルトランスフェラーゼ、⑳アセチルコリンエステラーゼ
解 説
Ⓐ ですが
語群から ⑦クロルピリホス か ⑧アルドリン と目処がついたのではないでしょうか。アルドリンは、かつて世界中で使用されていた「有機塩素系」殺虫剤です。有機リン系ではないため、Ⓐ は「クロルピリホス」です。
Ⓑ、Ⓒ、Ⓓ、Ⓔ ですが
有機リン系は、神経伝達物質「アセチルコリン」の分解酵素である「アセチルコリンエステラーゼ」の酵素活性を「阻害」します。具体的には、活性中心である「セリン 水酸基」と結合することで阻害します。
活性中心 セリン残基 イメージ
110 回薬剤師国家試験 問 208209 の図 一部より
Ⓕ、Ⓖ ですが
アセチルコリン分解酵素阻害 → アセチルコリン増加 → 「副交感」神経系 興奮 です。副交感神経系が興奮すると「縮瞳」、流涎、痙攣などの症状を引き起こします。
Ⓗ、Ⓘ、Ⓙ ですが
有機リン系の解毒剤は、抗コリン薬である「アトロピン」や、コリンエステラーゼを復活させる 「2-PAM (プラリドキシム)」が用いられます。2-PAM は服毒から 24 時間以内の速やかな投与が必須です。時間が経つと毒物が酵素と不可逆的に結合 (エージング) するため、時間が経つほど 2 – PAM の効果は低下します。※ エージングは、具体的には リン酸基の「脱アルキル化」です。
以上より
Ⓐ:⑦ クロルピリホス
Ⓑ:⑰ アセチルコリン
Ⓒ:⑳ アセチルコリンエステラーゼ
Ⓓ:⑤ セリン水酸基
Ⓔ:⑯ 阻害
Ⓕ:⑨ 副交感
Ⓖ:⑪ 縮瞳
Ⓗ:④ アトロピン
Ⓘ:① 2 ‒ PAM
Ⓙ:⑬ 脱アルキル化 です。

コメント