R1年 食品衛生監視員 No.4 毒性学Ⅰ (3) 問題と解説

 問 題     

毒性の評価に関する記述 ① ~ ⑤ について、妥当なものには ○ を、妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① 構造活性相関は、実験データの数理モデルへのフィッティングにより、統計学的に最もフィットしたモデルにおいて、通常の動物実験で有意な影響を検出できる反応レベルの用量に対する 95 % 信頼限界の下限値を算出する手法である。

② 各種毒性試験において、毒性学的に有害・無害にかかわらず影響が全く認められない最大投与量を無毒性量 (NOAEL) という。

③ ヒトが、ある物質を、24 時間又はそれより短い時間経口摂取した場合に、健康に悪影響を示さないと推定される摂取量を急性参照用量 (ARfD) という。

④ 単回投与毒性試験の結果に基づき、統計学的に被験物質の 1 回の投与で 50 % の実験動物が死亡すると推定される用量を半数致死量 (LD50) といい、化学物質の急性毒性の強さの指標となる。

⑤ 残留農薬や食品添加物など意図的に摂取される物質について、一生涯を通して摂取し続けても健康に有害な影響がないと考えられる一日当たりの摂取量を耐容一日摂取量 (TDI) という。

 

 

 

 

 

 解 説     

① ☓
記述は「ベンチマークドース法」についての記述です。

構造活性相関は、化合物の「化学構造」と「生物学的活性 (薬効や毒性など)」の間に成り立つ関係性です。代表例として、カテコラミンの構造活性相関等が知られています。側鎖の置換基を変化させることで、交感神経受容体に対する作用の強さや選択性が劇的に変わります。

② ☓
何の影響もない最大量なので「NOEL:No Observed Effect Level 無影響量」です。「無毒性量」ではありません。

③ ◯
急性参照用量 (ARfD:Acute Reference Dose) についての記述です。

④ ◯
半数致死量 (LD50:Lethal Dose 50) についての記述です。

⑤ ☓
記述は「一日摂取許容量」(ADI:Acceptable Daily Intake) についてです。TDI は、ダイオキシンや重金属など、環境中から「意図せず」混入してしまう物質が対象です。

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