公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.62解説

 問 題     

学習や問題解決に関する記述A〜Dのうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A.問題を解決する際,必ずしも成功するとは限らないが,経験則を用いることで,時間や労力を少なくすることができる方法をアルゴリズムという。暗証番号を忘れた例でいえば,全ての可能な番号を試す代わりに,自分の誕生日や電話番号を試してみるというのがこれに当たる。

B.我々は単語や事物を記憶する際に,多くの場合,記憶すべき単語や事物を様々な角度から分析することで,何らかの関連情報を付け加えて記憶する。このように,記銘時に関連情報を付加する符号化操作を精緻化と呼び,一般に,精緻化を行うことで記憶されやすくなると考えられている。

C.問題を解決する上で重要なことの一つにメタ認知がある。メタ認知とは,認知についての認知という意味で,自分は短期記憶でどのくらいの量を記憶できると思っているか,どのような方法で記憶すればよく記憶できると考えているか,どのような課題が難しいと考えているかなど,自己の認知過程についての認知や知識のことをいう。

D.一連の複雑な技能を習得する際,課題の全体を通して反復練習することを集中練習といい,課題をいくつかの部分に分割し,それぞれの部分を反復練習してから全体を通して練習することを分散練習という。一般に,まとまりのある学習材料の場合には集中練習の方が効率的であるとされている。

1.A,C
2.A,D
3.B,C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A ですが
ヒューリスティックについての記述です。アルゴリズムは問題解決のための一連の規則的手続きです。全ての可能な番号を試すという解決方法は、総当たりというアルゴリズムといえます。一方、誕生日や電話番号を試してみるというのは、ヒューリスティックの一例です。記述 A は誤りです。

記述 B は妥当です。
精緻化についての記述です。

記述 C は妥当です。
メタ認知についての記述です。

記述 D ですが
全体を通して練習するのと、部分に分割して練習するのは、それぞれ全習法、分習法です。集中練習とは、短い時間で休憩をとらずに練習することです。 分散練習とは休憩をとりながら練習することです。記述 D は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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