公務員試験 H30年 法務省専門職員 No.36解説

 問 題     

学校教育法施行規則及び平成25 年3 月に発出された「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」*(以下「文部科学省の通知」という。)における懲戒や体罰に関する記述A〜Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.懲戒のうち,学校教育法施行規則において定められているものには,退学,停学及び出席停止の3 種類がある。また,「文部科学省の通知」においては,通常,懲戒権の範囲内と判断されると考えられる行為として,学習課題や清掃活動を課すことや,授業中,教室内に起立させるなどが挙げられており,これらは肉体的及び精神的苦痛を与えるものでない限り,懲戒権の範囲内と判断されるとしている。

B.懲戒のうち,学校教育法施行規則において定められているものは,教育委員会が行うこととされている。また,同規則において,退学は停学よりも重い処分であるとされていることから,公立の小学校の児童又は公立の中学校の生徒に対しては,一定期間の停学の処分を行うことはできるが,退学の処分はできないものとされている。

C.「文部科学省の通知」において,①児童生徒から教員等に対する暴力行為に対して,教員等が防衛のためにやむを得ずした有形力の行使,②他の児童生徒に被害を及ぼすような暴力行為に対して,これを制止したり,目前の危険を回避するためにやむを得ずした有形力の行使は,通常,正当防衛,正当行為と判断されると考えられる行為であるとされている。

D.「文部科学省の通知」において,校長は,教員や児童生徒,保護者等から体罰や体罰が疑われる事案の報告・相談があった場合は,関係した教員等からの聞き取りや,児童生徒や保護者からの聞き取り等により,事実関係の正確な把握に努めることが必要であるとされている。加えて,体罰を把握した場合,校長は直ちに体罰を行った教員等を指導し,再発防止策を講じるとともに,教育委員会へ報告することが必要であるとされている。

* 平成25 年3 月に発出された「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」の別紙「学校教育法第11 条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」を含む。

1.A,B
2.A,D
3.B,C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが
学校教育法施行規則のおいて定められている懲戒は、退学、停学 及び「訓告」です。出席停止ではありません。記述 A は誤りです。

記述 B ですが
公立小中学校において、停学はできません。退学もできません。記述 B は誤りです。

記述 C,D は妥当です。
有形力の行使、及び、体罰報告や相談があった時の対応についての記述です。

以上より、正解は 5 です。

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