問 題
次のア,イは,社会福祉に関係する法律の条文の抜粋であり,ウは,国民年金法の条文の抜粋であるが,ア,イの法律名とA,Bに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。なお,選択肢の法律名については,通称を用いている場合がある。
ア.障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は,全ての国民が,障害の有無にかかわらず,等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり,全ての国民が,障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため,全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより A の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され,地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものの除去に資することを旨として,総合的かつ計画的に行わなければならない。
イ.この法律は,社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定め,社会福祉を目的とする他の法律と相まつて,福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(以下「地域福祉」という。)の推進を図るとともに,社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り,もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。
ウ.国民年金制度は,日本国憲法B に規定する理念に基き,老齢,障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し,もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。
解 説
ア、イ の選択肢は、自信を持って選びづらいかもしれません。そこでまず B に注目すると判断しやすいと思われます。
B ですが
憲法 25 条は生存権についての規定です。一方、13 条は、個人の尊重、幸福追求権及び公共の福祉についての規定です。どちらかといえば 25 条と判断できるのではないでしょうか。
また、国民年金法第一条によれば、『国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする』とあります。
これにより、正解は 1 or 3 です。
ア が障害者総合支援法、イ が社会福祉法とわかります。
A ですが
「どこで誰と生活するか」と対比されていることから「社会参加」の方が妥当と考えられます。「自己実現」では、対比として広すぎる概念です。
以上より、正解は 1 です。
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